私の唎酒師呼称資格認定証唎酒師(ききさけし。「利酒師」と書かれることもあります)は、日本酒を仕事で扱う人にも、趣味で楽しむ人にも人気の資格です。この記事では、私が実際に受験したときの体験を交えながら、試験の内容、費用、難易度、そしてちょっとした「裏情報」をお伝えします。
この記事の要点
- 唎酒師は、日本酒サービス研究会(SSI)が認定する資格。取得者は国内外で5万人を超えています。
- 取り方は「受験型」(試験を受ける)3コースと「履修型」(課題を出す)3コースの計6コース。
- 受講受験料は59,400円〜99,000円(税込)。合格後に認定諸費用60,500円(税込)がかかります。
- 試験は筆記・テイスティング・記述の4つ。合格基準は正答率70%以上で、公式の案内では合格率は約8〜9割です。
- テイスティングの次が記述試験。日本酒好きは、ほろ酔いで最後の試験に臨むことに……。
唎酒師(利酒師)とはどんな資格?
唎酒師は、特定非営利活動法人 日本酒サービス研究会(SSI)が認定する資格です。公式サイトでは「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会」という名前も併記されています。2024年に認定者が5万人を超えたそうです。
唎酒師とかソムリエとかいうと、お酒を飲んで銘柄を当てる人だと思われがちです。実はそうではなくて、季節や料理、お客様の要望や好みに合わせて、ぴったりの日本酒を提案するのが仕事です。
そのために、原料、造り方、ラベルの読み方、歴史といった日本酒全般の知識を身につけ、きちんとテイスティングをして、お客様にサービスする。この一連の流れを支えるのが唎酒師の役割です。唎酒師のいるお店に行ったら、ぜひそれぞれの日本酒の香りや味わいを聞いてみてください。
取得している人は、飲食店、酒販店や卸、旅館・ホテルの方……そして日本酒が大好きな人。私もそのひとりです。
この資格を取って、けむたがられない程度にウンチクを語ると、超人気者になれる……かもしれません。

唎酒師になるには?6つのコースと費用
唎酒師になるには、講座を受けたうえで、試験に合格するか、課題を全部修了する必要があります。コースは「受験型」と「履修型」に分かれています。
以下は2026年10月25日に唎酒師の公式サイト(コース一覧)で確かめた金額です(すべて税込)。料金は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで最新の情報を見てください。
受験型(講座を受けて、試験を受ける)
| コース | 学び方 | 受講受験料(税込) |
|---|---|---|
| 1日通学コース | 会場で1日受講(東京・サケアカデミー、大阪は一部日程) | 会場受験 59,400円/在宅受験 78,100円 |
| オンデマンド受講コース | テキストと動画で好きな時間に学習 | 会場受験 59,400円/在宅受験 78,100円 |
| 2日間集中コース | 連続する2日間で講義から試験、合格発表まで | 80,300円 |
在宅受験はZoomで行い、日時を選べます。1日通学コースとオンデマンド受講コースは、受講した日の翌月から6か月以内に初回の受験をする決まりです。
履修型(試験はなし。課題を提出して修了)
| コース | 学び方 | 受講料(税込) |
|---|---|---|
| eラーニングコース | すべてオンライン。課題は全4回、最短1.5か月 | 69,300円 |
| 通信コース | テキストと動画。課題は全3回、履修期間1年(最短3か月) | 79,200円 |
| 通信コース短期集中プログラム | 通信コースを短期間で。最短1か月 | 99,000円 |
履修型の課題は、正答率80%以上で合格です。
合格後にかかる「認定諸費用」
どのコースでも、合格(修了)して唎酒師に認定されるときに、次の費用がかかります。唎酒師の認定にはSSIの会員になることが必要だからです。
- 認定料 25,300円
- 入会金 19,800円
- 初年度年会費 15,400円(口座振替割引の場合)
- 合計 60,500円(税込)
資格は更新制で、認定を続けるには次の年からも年会費が必要です。
いちばん安く済むのは、1日通学コースかオンデマンド受講コースを会場で受験するパターンです。受講受験料59,400円と認定諸費用60,500円で、合計119,900円。……結構しますね(^^;
できれば、受験型のコースを選んで、会場での試験を楽しんでもらえればと思います。理由は、このあとの「裏情報」で。
唎酒師の試験内容
受験型のコースの試験は4つに分かれていて、どれも50分です。公式サイトの1日通学コースのページによると、内容は次のとおりです。
| 試験 | 形式 | 内容 |
|---|---|---|
| 第1次 | 選択式(マークシート) | もてなしの心、接客、食品・飲料の基礎知識 |
| 第2次 | 選択式(マークシート) | 日本酒の基礎知識(原材料、製法、表示、歴史、香味特性別分類、テイスティングサービス) |
| 第3次 | テイスティングを伴う筆記(記述式・一部選択式) | 日本酒の品質評価、個性の抽出、正常な状態と劣化した状態の判定 |
| 第4次 | 記述式 | セールスプロモーションの考案、季節別・香味特性別の企画立案 |
SSIの認定会員や、料飲サービス検定に合格した人(合格後3年以内)は、第1次試験が免除されます。
第1次・第2次:マークシート
選択問題なので、テキストをある程度読み込んで基礎知識を入れておけば大丈夫です。第2次は日本酒そのものの知識が中心で、原料や造り方、ラベルの表示などが出ます。
第3次:テイスティング
日本酒をテイスティングして、見た目、香り、味わいを書いていきます。品質に問題のないお酒か、劣化したお酒かを見分けることも求められます。
テイスティングの土台になるのが、日本酒を香りと味わいで4つのタイプに分ける考え方です。これについては「唎酒師なら知っている、日本酒の4分類」で詳しく書いているので、受験を考えている方は先に読んでおくとイメージがつかみやすいと思います。

第4次:記述式
私が受けたときは、こんな問題が出たと記憶しています。
- 日本酒の燗のつけ方と、香りや味わいの特徴を簡潔に説明せよ
- 陶器の徳利を洗うときの問題点を説明せよ
- 今は5月です。日本酒のキャンペーンを行うとしたら何をするか説明せよ
はっきり言って、ほぼ白紙の解答用紙を渡されるので、一瞬、頭も真っ白になります。ストーリーを丁寧に組み立てて、読みやすい字で書いたり、図を描いたりして埋めていきました。
唎酒師試験の難易度と合格率
受験型の試験の合格基準は、正答率70%以上です。公式サイトの案内では、合格率は1日通学コースで約81%、2日間集中コースで約89%とされています。
2日間集中コースは、合格点に届かなかった場合でも、翌月から1年以内なら無料で再受験できる仕組みがあります(在宅試験は有料)。
私の実感としても、きちんと準備すればそんなに難しい試験ではないと思います。ただ、第4次の記述は「自分の言葉で提案できるか」が問われるので、テキストを読むだけでなく、実際にいろいろな日本酒を飲んで、料理と合わせてみる経験が役に立ちます。
ちなみに、甘口・辛口の目安としてよく出てくる「日本酒度」については「サルでもわかる「日本酒度」の話」で解説しています。
唎酒師試験、あっと驚く裏情報
上の試験の順番を、じっくり見てください。
- 第3次:テイスティング
- 第4次:記述式
となっています。
第3次のテイスティングで、味わいをきちんと書き留めようとすると、何度も何度もテイスティングすることになります。
だいたい、日本酒好きがテイスティングなんかしたら、全部飲んじゃうに決まってるじゃないですか。
で、ほろ酔い加減で、第4次の記述式を受けることになります。
周りをチラっと見ると、人によっては顔を赤くしたまま受験しているわけです。
試験中にお酒を口にできるなんて、こういう試験くらいしかありません。もちろん、これは私が会場で受験したときの体験談です。受験の日は車で行かないでくださいね。

まとめ
- 唎酒師は、日本酒サービス研究会(SSI)が認定する、日本酒を「提案してサービスする」ための資格。
- コースは受験型3つ・履修型3つ。受講受験料59,400円〜99,000円に、認定諸費用60,500円(いずれも税込、2026年10月25日時点)。
- 試験は4つで各50分。合格基準は正答率70%以上、合格率は約8〜9割。
- テイスティングの後に記述試験があるので、日本酒好きにはちょっと楽しい(?)試験です。
資格を取ったら、ぜひ各地の地酒も飲み比べてみてください。都道府県の地酒シリーズ(新潟編)や、全国の産地をまとめた地酒マップも参考にどうぞ。
日本酒好きの皆さま、ぜひこの楽しい試験を受けてみてください。最新の費用や日程は唎酒師の公式サイトで確認してください。
(2026年10月 内容を更新しました)
