生酒、原酒、生詰め、生貯蔵、生原酒の違い・・・それは、「火入れ」「加水」「濾過」の違いになってきます。
原酒は「水を加えない」
生酒は「火を加えない」
というのが一番大きな特徴になります。
火入れとは
加熱は処理は、酵素の働きを抑えて品質を安定させます。この「火入れ」は通常2回行われます。
一回目の加熱は、それ以上発酵を進めないために酵素を殺菌します。
酵母が生きいて、ある一定以上の温度にあると、日本酒はどんどんと発酵が進み、酒質が変わってしまうので、その発酵を止めるわけです。
また、火落ち防止のための殺菌を兼ねています。
火入れは、画像の様な蛇管を使って、熱交換方式で60~70度に加熱します。常温のお酒を管に入れて、その周りのお湯で日本酒を温める感じです。
ちなみに「火入れ」をしない「生酒」の場合は、酵母の活動を抑えるために「低温」にします。
2回目の火入れは瓶詰をする段階です。
純米吟醸酒など酒質変化が敏感なお酒は、この2回目だけの火入れにするものもあります。
お酒を熱した「熱酒」をビンに入れる方法と・・・
お酒をいれたビン火入れの方法があります。
加水とは
絞ったお酒に水を加えないと「原酒」になります。
原酒はアルコール度数で言えば、高いもので20%を少々超えてくる。これは醸造酒の中では世界でももっともアルコール度数が高いと言われています。
この原酒は、絞ったタンクなどにより、かなり味や度数にもばらつきがあります。
ですので、タンク間のばらつきをなくし、また、飲みやすい度数に均一化するために、加水処理されます。
また、今では関係ないのですが、以前の旧酒税法では、15%を超えるものについては度数が1%アップするごとに酒税が加算されていた時期がありました。その時の名残もあるのかもしれません。
生酒と生原酒
生酒・生原酒はともに「まったく火を入れていない」状態のお酒です。
生原酒は「加水」もされていないお酒です。
生酒は「生生(なまなま)」「本生(ほんなま)」とも。
これらのお酒は大変デリケートにできています。
ですので、なかなか一般の酒販店では購入できません。
購入できるとしても、店内をめちゃくちゃ明るくしていたり、冷蔵庫にも照明バンバンみたいな店では購入しないことをお勧めします。
購入するとしたら、店内も薄暗く、冷蔵庫も薄暗く。みたいな店がお勧めです。
それだけ、酒質の維持管理にこだわっていると言えます。
購入後もかならず冷蔵保存します。
また、開栓するとどんどん酒質変化が始まりますので、あけたら1両日で飲み切るくらいのつもりで飲みましょう。
その「フレッシュ」さを、きっちり味わうように、グラスもワイングラスなどで(^^)
生貯蔵と生詰め
生貯蔵はその文字の通り、貯蔵前の1回目火入れを行わないお酒。
生詰めは、その逆で、出荷前の2回目火入れをしていないお酒。
これは、2回目の火入れをしない「生詰め」のもの。
冬にしぼられたお酒を春先に火入れして貯蔵。夏を越して貯蔵庫と外気温の差がなくなってから、2回目の火入れなしで出荷するものです。
基本的に単一の製造場のみで醸造したお酒のことです。