サルでもわかる「日本酒度」の話。甘口、辛口、旨口ってホント?!

nihonsyudo

日本酒度って聞いたことがありますか?日本酒度はよくお酒の「甘口」「辛口」「旨口」の指標だと言われていますが、本当にそうなのでしょうか?こちらでは「サルでもわかる」ように、丁寧に日本酒度についてご説明いたします。

日本酒度の測り方

81306024005185日本酒度は、この図のような浮き秤を使って調べます。

日本酒度0の基準:
日本酒度 0 の基準は、「4℃の真水」です。
つまり、水と比べてそのお酒が「重い」のか「軽い」のかで計測しています。
(ただし、お酒は常温と呼ばれる15度で計測)

水より重い=糖分が多い=秤が浮く=日本酒度マイナス
水より軽い=アルコールが多い=秤が沈む=日本酒度プラス

となります。
日本酒度計の秤のメモリは、当然ですが、下がマイナス、上がプラスです。

バリバリのウイスキーを測ると、めっちゃ沈んで、超辛口。
あまーーい、リキュールをを測ると、めっちゃ浮いて、超甘口。
なのです。(通常の日本酒度計では、計測できないと思いますが)

ちなみに比重については「死海」を思い浮かべればわかるかと思います。塩も砂糖も変わりません。そういった物質が水に溶けていると「水より重い」ので、物体が浮いちゃいます。

Rottan / Pixabay

日本酒度 糖分とアルコールの関係

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日本酒度に関連する「糖」と「アルコール」ですが、これはお酒のできる過程で作られます。

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麹菌ががんばって、でんぷんを糖に変えていきます。この後、酵母ちゃんがその糖分を食べてアルコールを出していきます。
ちなみに、その後酵母ちゃんは、自分の出したアルコールでご臨終なさいます。

この麹(こうじ)と酵母の種類や、頑張り方、原材料などによって、最終的な糖分とアルコール分が決まります。

日本酒度は、甘口、旨口、辛口の指標には本当になるの?

回答:ある程度の指標にはなりますが、絶対ではありません。

酸度との関係

日本酒度の原理は、糖とアルコールの関係からその比重で計測しています。
でも、味覚の大事な要素に「酸度」というものがあります。

また、日本酒は、糖、アルコール、酸度の他にも微妙なたくさんの「アミノ酸」が絡むことで、その味わいが大きく変わってきます。

下記は「日本酒官能表」というもので、日本酒度と、酸度の関係で、どのように分類できるかを表現しています。
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ちょいと複雑になってきますよね。

温度との関係

日本酒は、その飲む温度で、「雪冷え」から「熱燗」までさまざまな温度で愉しむことができます。

この温度が「味覚」に大きな変化をもたらします。

下記は、温度と味覚の変化を表で表したものです。

ondo-mikaku-glaf甘味:温度が高くなるにつれて甘味を大きく感じます。逆に、苦みや、辛みは温度とともに下降していきます。

ですから、「辛口」との指標である日本酒度がかなりマイナスの指標のお酒でも、温めて飲むことで、甘口に変化するわけです。

ちなみに、大吟醸の辛口を、ほんのりと人肌にあたためて飲むと、得も言われぬ美味しさです。

器との関係

これは、あまり書いている人がいませんが、お酒を飲む器によっても感じる「味覚」は変化します。

まったく同じ状態のお酒を、ガラスのコップで飲むと辛めに感じ、陶器のおちょこで飲むと甘めに感じます。

唇への当たり方、甘味を感じる舌先への通り方などで、かなり変わってきます。

寒くなる時期は、やはり純米酒をちょいと温めて、おちょこでいただくと、身も心もほっこりします。
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